ばね論文集
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焼入れ時の応力, 歪計算
軸対称品の温度, 組織の解析
田中 達夫脇門 恵洋近藤 継男
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1986 年 1986 巻 31 号 p. 47-53

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抄録

鋼の焼入れ時には, 冷却の不均一性による熱応力と変態膨張による変態応力が発生し, 焼入れ後に歪, 焼割れなどの問題が発生する場合が多い. 特にばね用鋼の炭素量は0.5%以上と高いため, 変態応力による焼割れ発生の現象が起こりやすい. 本報告では, 熱処理時の応力, 歪発生の傾向を明確にする第1段階として, 鋼材丸棒の焼入れ時の温度変化を各種冷却条件に対して数値解析により求め, 温度勾配, 変態組織等を検討した. その結果を要約すると以下のようになる.
(1) 鋼材の表面温度によって熱伝達率の大きく変化する冷却剤を用いた場合, 一時的に大きな温度勾配が発生する.
(2) 表面での熱伝達率が大きく変化すると, 冷却速度も大きく変化し, 変化する温度は表面より中心の方が高くなる. その結果焼入性の劣る材料においては, 逆硬化現象が発生する可能性がある.
(3) マルテンサイト変態温度域での冷却能の高い冷却剤を用いた場合, 場所により大きく変態の時期がずれる.

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