ばね論文集
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低温焼鈍時の寸法安定性に優れたばね用ステンレス鋼線の開発
児玉 勝井岡 博一山岡 幸男
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1992 年 1992 巻 37 号 p. 1-6

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抄録

αとγがほぼ等量づつ混合した2相組織をもつステンレス鋼線のコイルばねやフォーミング品は低温焼鈍処理後にSUS304や硬鋼線, ピアノ線が大きな寸法変化を示すこととは対照的に非常に変化が小さいという従来未知であった特性をもつことが明らかとなった. この特長は隣接するαとγがそれぞれ引張と圧縮という相異った残留応力をもつことに起因して発現する性質と考えられる.
この新しいばね用鋼線はSUS304と比べて降伏比, 弾性係数, 捻回値, 疲労限が高く, 耐食性も優れているという特長を備えている.

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