ばね論文集
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ばね・コネクタ用Cu-Ni-Sn合金の特性
西畑 三樹男大山 繁菅原 章
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1992 年 1992 巻 37 号 p. 7-13

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抄録

電気・電子部品の小型化, 高密度実装化, 高集積化に対応すべく, 強度, 弾性, 電気伝導性, 成形加工性, 耐応力緩和特性, 半田密着性等に優れたCu-Ni-Sn-P合金を開発し, 工業規模で製造したCu-1.06Ni-0.90Sn-0.053P合金の材料特性を評価して次の結果を得た.
(1) 引張強さ570MPa, ばね限界値477MPa, 疲労強さ255MPa, 導電率38.1% IACSであり機械的特性と電気伝導性のバランスに優れている.
(2) 393K及び423Kにおける耐応力緩和特性に優れている.
(3) 溶融半田付け性が良好で耐熱密着性に優れており, またSnめっきが容易であり且つ加熱後の接触抵抗値も小さい.
(4) アンモニア雰囲気における耐応力腐食割れ性に優れている.
(5) R/t=0.5の曲げ加工においても問題なく成形加工性に優れている.

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