ばね論文集
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ばね鋼の繰返しねじり及び軸荷重疲労強度に及ぼす介在物の影響
阿部 孝行金澤 健二
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1994 年 1994 巻 39 号 p. 17-26

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抄録

ばね鋼SUP7, SUP9A, SUP12について, 応力比をパラメータとした軸荷重疲労特性及び繰返しねじり疲労特性に対する介在物の影響を, すでに報告した回転曲げ疲労の場合と対比して検討し, 以下の結果を得た。
(1) 応力比が-1と0の軸荷重疲労は, 介在物を起点とした破壊が支配的で, その疲労強度は硬さから期待される値よりも低くなった。
(2) 一様応力分布の応力比-1の軸荷重疲労強度は, 介在物が存在する頻度が高くなり, 介在物による疲労強度の低下は, 回転曲げ疲労の場合より大きい。
(3) 繰返しねじり疲労では, 介在物を起点とした破壊は認められなかったが, その疲労強度は硬さから期待される値よりも低くなった。
(4) 硬さで無次元化された両疲労強度については, 回転曲げ疲労強度に対して認められた介在物評点依存性は明瞭でなかった。
(5) 破壊力学的考察により, 初期き裂寸法をパラメータとした疲労限度線図及び硬さと疲労強度の関係を得ることができた。

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