1994 年 1994 巻 39 号 p. 67-100
細径Si-Cr鋼オイルテンパー線のJIS化にあたり, JISとISOの整合性を図ることが強く求められている。 しかし, 細径のSi-Cr鋼について, ISOに規定されているような高強材は, 我国において使用実績はない。 そこで本共同研究では, ISO規格の上限からJIS規格の範囲に相当する高強度材を作成し、 その機械的性質, へたり特性, 疲労特性を調べた。
その結果, 単に焼戻し温度を下げることによる高強度化では耐へたり性, 耐疲労性は改善されないことが明らかになった。 また, 高強度化の効果を得るには, 成分の変更やショットピーニングを施すことが有効であることが示唆された。