関東地方の茨城・埼玉・千葉の各県において1997年以降ナツツバキに未記録の斑点性病害の発生が見られ,特に2000年にはヒメシャラも含めて激しい発生と落葉被害が起こった.病斑は褐色小円斑から拡大し,周囲は紅色に呈色し,間もなく落葉する.病斑裏面が白色微粉状の分生子柄と分生子塊に覆われる.菌叢磨砕液または分生子浮遊液の噴霧によりナツツバキ,ヒメシャラとも無傷葉に多数の病斑を形成,分生子の形成と落葉が起きた.Stewartia属では未記録の病気であり,病徴から紅斑病と命名した.病原菌は新種と思われ,Ramularia属の概念に定説はないが,とりあえずRamulana sp.として,解明を待って記載したい.