TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, SPACE TECHNOLOGY JAPAN
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宇宙リフレクタの長方形膜面の鏡面精度に及ぼす張力および境界変位の影響
加藤 純郎
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2006 年 4 巻 p. 17-26

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抄録

リフレクタ表面において異方性張力を受ける長方形膜面の鏡面精度を調べた. 長方形膜面はリフレクタ面の任意の位置に, 表面の主曲率方向に対して任意の角度アルファで配置されているものとし, 膜の端部境界は楕円型または双曲型の放物面に一致するとした. 膜の変位および鏡面誤差は線形膜面方程式に基づいて解析的に求めた. 膜の端部境界変位を定めるパラメータに関して, 3種類の鏡面誤差の最適化を行った. これらの3種類の最適化膜面(等曲率境界最適膜、最適膜2、最適膜3)の鏡面誤差について比較評価をおこなうとともに、他の文献で検討された境界一致最適膜の鏡面誤差との比較を行った. 一定のパラメータ範囲において、適切な異方張力を与えると等方性張力を与える場合に比べて各最適膜の鏡面誤差を小さくすることができることが分かった. 長方形膜形状が細長いほど、また長辺の境界に負荷される張力と短辺の境界に負荷される張力の比率が大きいほど、鏡面誤差は小さくなる. さらに,最小の鏡面誤差は, 膜面の長辺がリフレクタ面上において2種の主曲率のうち大きい値を持つ主曲率方向に平行に配置され, その長辺が短辺より大きい張力負荷を受ける場合に得られることがわかった. 回転角アルファがゼロのとき, 最適膜2と最適膜3の鏡面誤差は等しくなる. 細長い長方形膜において長辺が大きい張力を受ける場合, アルファがゼロのときには, 最適膜2の鏡面誤差は最適膜3の鏡面誤差と等しく, 等曲率境界最適膜および境界一致最適膜の鏡面誤差とほぼ等しくなる. また回転角アルファがゼロでないときには, 最適膜2の鏡面誤差(境界一致最適膜の鏡面誤差とほぼ等しい)は等曲率境界最適膜の鏡面誤差(最適膜3の鏡面誤差とほぼ等しい)より小さくなる. 最適膜2の鏡面誤差は、他の最適化膜面のなかで最小であり、境界一致最適膜の鏡面誤差に比べて0-15%程度小さい. 膜面のリフレクタの中心軸からの距離が大きくなると,各最適化膜面の鏡面誤差は減少する.

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© 2006 The Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
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