TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, SPACE TECHNOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1347-3840
ISSN-L : 1347-3840
宇宙リフレクタにおける正多角形膜面の鏡面精度解析
加藤 純郎
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2006 年 4 巻 p. 37-45

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抄録

リフレクタ内の正N角形膜面(N=3, 4, 5, 6, ---)の鏡面精度を調べた. 膜面はリフレクタ面の任意の位置に,理想放物面の主曲率方向に対して任意の回転角度で配置されているものとし,2種の境界変位を持つ長方形膜面を考えた.第1の膜面は境界一致膜であり, 膜面端部が,膜面の配置されている点における近似放物面に一致するものである. 第2の膜面は境界一致最適膜であり, rms誤差が最小になるよう境界一致膜を法線方向に移動して得られる.膜面の変位と鏡面誤差の解析式を線形膜面方程式に基づいて得るとともに, 端部変位,辺数N,膜面位置等の鏡面誤差に及ぼす影響を調べた.境界一致最適膜の鏡面誤差は境界一致膜の鏡面誤差の約半分であることがわかった.各膜面の鏡面誤差は,理想放物面の中心軸からの距離が大きくなると小さくなり,膜面の回転角度に依存しない.Nが大きくなると境界一致膜と境界一致最適膜の鏡面誤差は単調に増加する.これらの鏡面誤差はNが無限大に増加すると,円形膜の鏡面誤差に収束する.

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© 2006 The Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
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