ホームセンターなどで購入可能な安価なトタン製の簡易蒸発皿を利用して, 気象観測機で予測するETOを予測した。EPanとETOの相関はr=0.67であり, 高い相関が見られた。予測式の切片は−0.54と小さいので, 予測式を単純化させるために, 切片=0とし, 傾きのみを変換係数としてKp=0.78とした。結果, 簡易蒸発皿を利用してのETCの予測式は, 暖地型芝草ETC=0.53×EPan, 寒地型芝草ETC=0.71×EPanとなった。また, VPDとETOの相関はr=0.78であった。切片は, −0.51mmであったが, 予測式を単純化させるためにも切片=0とし, Kp=6.09とした。よって, VPDから芝草のETCを予測するには, 暖地型芝草ETC=3.7×VPD, 寒地型芝草ETC=4.9×VPDとなった。土壌水分の収支を記録する場合は, 雨量の測定も必要であり, 簡易蒸発皿の水位の増加量と雨量には高い相関関係 (r=0.99) があり, 予測式は, 雨量=0.94×簡易蒸発皿増加水位+0.96となった。よって, 簡易蒸発皿の使用により, 土壌水分の帳簿を作成することが可能だと考えられた。