芝草研究
Online ISSN : 1884-4022
Print ISSN : 0285-8800
ISSN-L : 0285-8800
ベントグラスターフに発生するグラースポットについて
反保 宏行谷 利一河野 悦子
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 17 巻 2 号 p. 156-164

詳細
抄録

最近, 我が国各地のゴルフ場ではベントグリーンにダラースポット (病原菌Sclerotinia homoeocarpa F.T.Bennett) が多発しはじめ, 重要病害の一つとみなされるようになってきた。本研究では, 主として香川, 兵庫, 静岡の分離菌株を供試して試験を行ない, 以下の知見をえた。
(1) ベントグラスソッドを用いた接種試験によると, 供試4菌株すべての接種区において, 発病は10℃でおこり, 温度に比例して激しくなった。最適温度は25~30℃で, 接種3日後には芝草は完全に枯死した。
(2) イネ科植物12種類に2種の分離菌を接種したところ, 25℃, 3日後には下記のソッドで強い発病がみられた。
幼苗: ベントグラス (シーサイド) , イタリアンライグラス, ケンタッキープルーグラス, ペレニアルライグラス, トールフェスク, ノシバ, バピアグラス, センチペドグラス, ウィーピングラブグラス
成植物: ベントグラス (ペンクロス) , イタリアンライグラス, トールフェスク, コウライシバ, ノシバ, バピアグラス, ティフトン, ウィーピングラブグラス (3) 平板培地 (6種類) 上における菌叢の性状を比較したが, 供試5菌株間に大差はみられなかった。また, いずれの菌株とも, 培地上で胞子様構造体しか形成しなかった。PDA上の菌叢発育は5~35℃でみられ, 最適温度は20~30℃であった。以上の結果より, 我が国で本病を起こす病原菌は米国, オーストラリアに分布する主な系統と同じであると推定した。

著者関連情報
© 日本芝草学会
前の記事 次の記事
feedback
Top