1994 年 23 巻 1 号 p. 27-30
芝草の遺伝子工学や細胞工学研究の基礎として, 主要品種の1つであるノシバ (Zoysia japonica Steud.) の組織培養系の確立を試みた。発芽種子を種々の濃度の2, 4-D添加MS培地で培養したところ, 2.0μg/mlの2, 4-D添加MS培地で最も高率にカルスが誘導された。誘導10日後 (発芽種子置床14日後) に培地を100倍希釈の植物生長調整物質無添加MS培地に置換することによって容易に再生体が得られることが明らかにされ, ノシバの効率的な組織培養系が確立された。