芝草研究
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除草剤カフェンストロールの芝適用性
神崎 充大石 博實白川 憲夫倉持 仁志竹内 安智近内 誠登
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2001 年 29 巻 2 号 p. 115-120

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抄録

カフェンストロールの芝生地への適用性を明らかにすることを目的として, 土壌処理による除草効果, 各種芝草の生育におよぼす影響および土壌中の移動性を検定した。
その結果, カフェンストロールは芝生地の主要雑草であるメヒシバ, スズメノカタビラおよびエノコログサなどの多くの一年生イネ科雑草に対し, 5ga.i./a相当量の薬量で高い土壌処理効果を示した (Table2, 3) 。またこれらのイネ科雑草に対する処理適期は発生前であり, 葉令が進むと効果が低下した (Fig.2, 3) 。
各種芝草に対する薬害は, コウライシバおよびノシバに対し刈り込み直後の10~200ga.i./a処理で, 全く認められなかったが, ベントグラスでは20ga.i./a以上の処理で観察された (Table4) 。
コウライシバおよびノシバの植付け後に, 10~20ga.i./aのカフェンストロールを処理した場合の生育におよぼす影響は, 根部を含めて認められなかった (Table5) 。
また2年間にわたって秋期, 春期, 秋期および春期に20~80ga.i./aのカフェンストロールを処理した場合の, コウライシバおよびノシバに対する薬害は, 全く認められなかった (Table6) 。
さらにカフェンストロールの土壌移動性は軽埴土で1cm, 砂土壌では2cmで, シマジンよりも小さかった (Fig.4) 。
以上の結果, カフェンストロールはコウライシバおよびノシバに対して安全性が高く, これらの芝生地における一年生イネ科雑草防除剤として, 優れた適用性を有することが示唆された。

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