芝草研究
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ニュージーランドから採集したZoysia minimaの形態学的特性と日本に自生するZoysia属種との交雑親和性
高橋 祐希松田 靖福岡 壽夫村田 達郎
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2006 年 34 巻 2 号 p. 89-95

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抄録

ニュージーランド固有種であるZ.minimaの形態学的特性と他のZoysia属との交雑親和性について検討した。Z.minimaの葉長, 葉幅は, Z.tenuifoliaよりもさらに小さい値を示し, 葉身における維管束配列の組織学的観察の結果, 葉縁はC型 (左右同型) であった。本種の穂は非常に小さく, 他のZoysia属と明らかに違い1穂1小花であった。また開花期は, 本学 (熊本県阿蘇郡) の調査では, Z.tenuifolzaとほぼ同様の11月上旬から12月上旬であった。本種も他のZoysia属と同様に雌蕊先熟であったが, 雌蕊の柱頭が褐変する前に葯が出現するために自殖種子が得られる可能性が高い。本種の染色体数は他のZoysia属と同様に2n=40であり, 柱頭上でZ.japonicaおよびZ.matrellaの花粉発芽・花柱内への花粉管伸長が観察され, 交雑親和性が認められた。そこでZ.minimaZoysia属3種との種間雑種によって, 10個体の雑種を作出した。

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