芝草研究
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暖地型芝草に対するオーバーシーディングの研究
第3報 MH-20によるティフグリーンの抑制とオーバーシーディングした冬芝への影響
川添 永典近藤 博英
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1976 年 5 巻 2 号 p. 117-121

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抄録

埼玉県において, 一般に9月上旬から中旬, 夏芝のグリーンヘオーバーシーディングする場合ターフ形成が速く高品質のグリーンができる。しかし, 時々ティフグリーンの生育が旺盛であるためオーバーシードした冬芝のターフ形成を妨害するので失敗することがある。そのため生長調整剤MH-30を製品量m2当り0.20.4, 0.6, 0.8, 1.0ccを稀釈水量200ccでオーバーシードする日の10, 7, 4, 1日前にティフグリーンへ散布し冬芝へのスムーズな移行を調べた。なおMH-30を処理したティフグリーンヘニューポートケンタッキーブルーグラス50gとハイランドベントグラス15gの混播を1972年9月3日オーバーシードした。そしてティフグリーンとオーバーシーディングした冬芝との競合およびオーバーシーディングした冬芝への障害を検討した。一方, 土壌20gを充填したぺトリ皿にMH-30を処理し直にペンクロスとニューボートをそれぞれ播種してこれら芝草の発芽や初期生育について影響を調べた。試験の結果を要約すると,
1) MH-30処理区はティフグリーンの生育を抑制しとくに, 0.6cc以上の処理区で冬芝の幼草の生育はよく, 望ましいパッティンググリーンを形成した。無処理区において再生したティフグリーンはオーバーシーディングした冬芝の幼草を表面へ持ち上げられるため乾燥により枯死した。
2) ペトリ皿試験ではニューポートの発芽や幼草の生育に対しMH-30による影響を何も認められなかった。しかしながら発芽が速いペンクロスは土壌中に残っているMH-30のため幼草がクロロシスとなり生育が停止する障害がある。しかし, ペンクロスの発芽率はMH-30処理により最後には高くなったので実際には問題がないと考えられる。
3) 結論
MH-30をm2当り0.6ccから1.0ccと稀釈水量200ccでオーバーシーディングする日の7から10日前ティフグリーン・パッティンググリーンに処理する方法はティフグリーンとオーバーシーディングした冬芝の幼草との競合を少なくするので高品質のパッティンググリーン造成を安易とする。

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