可視化情報学会論文集
Online ISSN : 1346-5260
論文
非線形力学系にみられる周期解の分岐曲面の視覚化
上田 哲史泉田 英嗣川上 博
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2001 年 21 巻 4 号 p. 65-70

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抄録

力学系が非線形常微分方程式で表現されたとき,解の極限集合である平衡点や周期解は,系のパラメータ値の変動に伴って,その位相的性質が変化する.これを分岐現象という.力学系の数理モデルが導かれたとき,分岐現象を与えるパラメータ値の集合(分岐集合)が求められれば,解が存在するパラメータ領域や,その境界(安定限界)を具体的に知ることができ,系の設計や解析の実用上の観点からも重要である.しかし,分岐集合の求解には,解析的手法を用いることは困難であり,デジタル計算機の援用が不可欠である.本論文では,n 次元非線形常微分方程式系に含まれる3次元パラメータ空間において,周期解に関する分岐集合(分岐曲面)を計算し,CG として視覚化する方法について述べる.分岐曲面は一種の等値面とみなせるが,一般の等値面構成問題とは異なり,数値積分と n+3 次元方程式の求解を要するため,ボクセル判定法は計算コストの観点から用いることができない.そこで,計算コストの削減を念頭においた分岐曲面の構成方法を二つ提案する.構成方法 I は,第 3 パラメータのさまざまな値で 第 1, 2 パラメータによる平面で分岐集合をもとめ,それらを接続してポリゴンを生成する手法である.また,構成方法IIは,初期値となるパラメータ平面の分岐集合から自律的に 3次元分岐曲面を探索してゆく手法である.両手法の詳細を述べ,特徴を比較した.これらの可視化手法よって,パラメータ空間中における各種解の存在領域の形状,その発生消滅,カオスの存在位置などの大域的性質が理解でき,系の設計,解析の手助けとなる.

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© 2001 by the Visualization Society of Japan
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