一様流中に置かれた円柱からの渦放出現象を制御することを目的とし、スリットを通して円柱内部から音響流を加えるアクティブ制御の有効性を評価した。制御時における円柱表面圧力分布の測定とそれに基づく抗力と揚力の測定を行い、円柱に加わる流体力が制御パラメータ(スリット角度、加振ストロハル数、速度振幅比)によって変化する関係を明らかにした。また、制御パラメータの組み合わせを最適化することにより最大30%程度の抵抗減少を得た。さらに、その制御機構を解明するため、スモークワイヤ法を用いた気流の可視化ならびに2色染料注入法による水流の可視化実験を行った。その結果、音響加振による制御は、円柱後流の変動を抑制する効果があること、ならびにその制御機構としてスリット側せん断層の励起現象に伴うせん断層間の干渉効果の弱まりと渦度の打ち消し効果があることを示した。