近年,計算機性能の飛躍的な向上により,1,000万メッシュを超えるような大規模な流体 数値シミュレーションが可能となってきた. この結果を的確に理解し把握するためには可 視化処理が不可欠であり, 必要に応じ様々な角度から繰り返し画像処理を行うことが重要 となる. この時, 大規模データのマネージメントに関する種々の問題が生じる. 本論文では,これらの問題のうち,ファイル保管や転送の問題を軽減することを目的と して,可視化を前提とした数値データの圧縮と復元について検討をした. 任意の流れ場に 対して適用でき, かつアルゴリズムが簡単で圧縮・復元に要する時間も短くできる方法と して,基本物理量を直接量子化し短ビット整数化した後間引きによって圧縮し, ビット復 長と簡易流体解析手法による復元する方法をいくつかの典型的な流れに対して適用した. この結果, 2次元では1/100程度, 3次元ではその数倍まで圧縮しても流れ場の特徴を充分 把握できる画像が得られることを確認できた.