可視化情報学会論文集
Online ISSN : 1346-5260
ISSN-L : 1346-5252
論文
固有値展開による情報の偏りを利用した多重解像度解析に基づくデータ・ハイディング
新井 康平瀬戸 要
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2003 年 23 巻 8 号 p. 72-79

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抄録

多バンド画像によるデータ・ハイディング手法を検討する. 既存手法は,原画像の特定成分のみに対して鍵画像をハイディングするものである.例えば,RGB原画像のG成分のみに鍵画像をハイディングする.したがって, 既存手法は,原画像が多バンド・データであるということを有効に利用しているとは言い難い.一方,画質劣化を抑えるためにHSI変換等を伴う手法が考えられるが,HSI変換等は3バンド以外の原画像の場合は適用不可能であり, かつ,当該画像に最適な変換ではない.ハイディングによる画質劣化を抑えることを目的として,主成分変換(固有値展開)を伴う手法を提案する.提案手法は,原画像の第1主成分に鍵画像をハイディングする.提案手法の既存手法に対する優位性をシミュレーション実験により確認し,ハイディングによる画質劣化を原画像とのRMS誤差により表した場合,提案手法のRMS誤差の方が約40% 小さいことを示すことができた.

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© 2003 by the Visualization Society of Japan
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