現在,感圧塗料(PSP)を用いた圧力分布計測は,様々な現象に適用されている.しかし,低速領域の現象では,圧力変化に対する発光強度の変化が小さく,十分な計測精度を得るのが困難になる.これは,現在のPSP計測手法が,原理的に絶対圧計測であることが原因である.そこで本研究では,多孔質膜を用いた差圧に応答するPSP計測手法の開発を行った.開発した差圧応答型PSPは,サンプルテストにおいて,差圧1kPaに対して最大で2倍の発光強度変化を示した.これは,現在のPSP計測手法と比べ,100倍以上の圧力感度となっている.また,この差圧応答型PSPは,差圧0kPaから1kPaの範囲で,圧力感度に線形性と再現性を持つことがわかった.