一般的な翼表面圧力計測では,表面に静圧孔を開け,風洞側面圧との差圧を計測する.しかし,模型内部に配管を通す作業は工数が多く費用が高い.感圧塗料を用いることでこの問題は解消されるが,酸素分圧の変化が小さい低速流への適用は容易ではないと考えられる.そこで,レーザ変位計を用いて物体表面に張られた極薄膜の撓みを計測することにより,表面圧力を非接触で測定する計測法を考案した.風洞試験において計測が可能か否かを調べるため,翼圧比4%の模型を製作し,静圧孔による翼表面圧力係数分布を比較した.得られた圧力分布は,翼面上に形成される剥離泡の挙動を確認する目的を十分満たし,有益な知見を与えることが明らかとなった.