原子力発電プラントの配管減肉の一要因である液滴衝撃エロージョン現象の解明を目的として,高速噴霧流を用いた液滴衝撃エロージョン実験を行った.本論文では,液滴パラメータである速度,液滴径,液滴の衝突数を,それぞれ,PIV, シャドーグラフ法,レーザー光減衰法によって計測する方法を示し,さらに,高速噴霧流の液滴パラメータの計測結果,ステンレス材料のエロージョン実験結果を示した.本実験結果によると,高速噴霧流装置で発生した実機の推定液滴径(数十μm)によって液滴衝撃エロージョンが発生し,減肉したステンレス材料表面には梨地状の凹凸パターンが観測された.ただし、減肉痕の大きさは数百μmオーダーであり、衝突する液滴径よりかなり大きい.