シンセティックジェットは,膜の振動によりキャビティの容積を変化させることで流体を噴出させる技術である.流体の吐き出しと吸込みを行うため,流れ場に加える流量は平均するとゼロとなるが,正の運動量をもつジェットを誘起することができ,能動制御技術としての利用が可能である.本研究では,シンセティックジェットの励起周波数fが渦輪のふるまいやジェットと主流の干渉によって生じる縦渦の生成に及ぼす影響を調べた.横風を受ける状態で主流中に吹出した際,f=200 Hzでは渦輪は変形しながら下流方向に流され,吹出し口から遠い下流位置においても渦輪が存在するだけで縦渦は確認できない.それに対して,f=60 Hzでは縦渦の生成が確認できた.シンセティックジェットと主流との干渉での縦渦生成には,シンセティックジェットの励起周波数が影響する.