本研究では,構造方程式モデリングを用いて,会員アンケートの結果から可視化情報学会における会員満足度の因果関係モデルを構築した.因果関係モデル構築にあたって,評価グリッド法とグラフィカル連鎖モデリングを用いることで妥当なモデルが構築された.構築された因果関係モデルからは,英文論文誌,学会の知名度・ブランド,先進的な研究動向を把握できることなどが満足度の重要な要因として明らかになった.更に,理想的な学会に対する評価構造と可視化情報学会における因果関係モデルの差異からは,研究分野の近さが有益なディスカッションに結びついていないという問題点が明らかになった.分析の結果,有益なディスカッションの活性化と英文論文誌の投稿数の向上が,会員満足度を向上させるための鍵となる要因であると結論付けた.