1990 年 14 巻 10 号 p. 35-41
近年、液晶パネルはフラットディスプレイとして広く使用されているが、画質における最も大きい欠点として視角依存性が大きいということが指摘されている。ここでは位相フイルムを用いだLCDの視角特性改善の一手法について報告する。液晶セルと偏光板との間に2枚の一軸延伸の高分子位相フィルムを挿入することにより、斜め入射光の光学補償を行うことのできることが明らかになった。この手法の特徴は2枚の位相フィルムの光学軸を直交して配置することであり、 この設定により、正面の表示特性は何ら変化しないが、斜め特性は位相フィルムにより影響を受ける。TN-LCDに対し・本構成を適応することにより、コントラストや色調変化等の視角特性を大幅に改善することができた。さらに、 上記の構成に数度のオフセットを与えることにより、正面での表示特性をも改善することができた。