筆者らは、ホロビジョン・モデルを自然画像認識へ実用化する検討を行っている。(1)ホロビジョン・モデルのa)情報入力部・情報生成部・意味記憶部からなる3階層構成、b)入力された情報から特徴情報を生成し図の認識を行う機能、c)非線形振動の引き込み現象を用いた動作原理を説明する。(2)多画素化・多方位化の観点からホロビジョン・モデルの実用化の検討を行い、モデルの情報入力部を従来の8×8画素から20×20画素へ、情報生成部の線の方位を4方位から8方位に拡張した。その結果、多画素化(高速化)の条件を明きらかにし、多方位化に関わる抑制問題を明らかにした。また、これまでの位置・大きさによらないパターン認識を加え、回転によらない認識を可能にした。さらに、図地分離の発展である複数図形の位相による分離を確認した。