梅雨前線、秋雨前線や台風などによる集中豪雨がしばしば発生し、大きな被害をもたらすことがある。局地的な集中豪雨は、気象観測所の配置距離に比して狭いことが多いので、その原因の究明は困難である。1990年の台風20号によって引き起こされた宮崎市近郊の集中豪雨は、非常にせまい範囲に起こった一例である。台風と秋雨前線の境目に、太平洋上の湿った空気が流れ込み、前線北側の冷たい空気がその上に流れ込んだために不安定が起こり、地形的な小撹乱によって大きな上下の撹乱に発展し、集中豪雨を引き起こしたものと考えられる。この過程を、ひまわり映像、レーダーイメージ、AMeDASデータ、高層気象観測所のデータなどによって解析した。