1993 年 17 巻 45 号 p. 51-58
ME(Metal Evaporated)テープは、次世代のVTR用テープとして注目されている。しかし、このテープの特性についてはまだ良くわかっていないことが多い。また重ね記録、特に再記録現象に関しては、不明な点が多くいまだに明快な解析はなされていない。そこで、本論文ではMEテープの配向方向に注目をして基本特性と重ね記録について、測定と考察を行なった。その結果、基本特性においては配向による特性の違いから記録過程をモデル化することで説明ができた。また、重ね記録において再記録現象を確認することができた。今回生じた現象は、厚膜媒体における再記録現象とほぼ同じ傾向を示すこともわかった。さらに、MEテープの角形比を考慮すると再記録現象の説明がコンタクト・プリンティング・モデルを適用できることがわかった。