TV会議システムの画像の主観的な画質を向上させるために、人物の顔領域を検出し、周囲より精細に符号化する方式が考案されている。本報告では、複数の人が映っている場合に重要度の高い発言者の顔を精細に符号化するために、ステレオ音声信号の左右チャンネルの遅延差を利用して検出した発言者の位置情報を用いて、発言者の領域を精細に符号化する方式をH.261符号化に応用する手法を提案する。符号化方式としては、画面内の発言者の領域をを精細に符号化する方式、発言者を切り出して特定の位置に配置して精細に符号化する方式を提案し、後者について計算機シミュレーションによる評価を行った。