フレーム間の相関を用いたTV信号の圧縮方式がATVやMPEGで論議されている。しかしこのようにして圧縮されたTV信号をVTRに記録し、高速再生(サーチ)を行った場合、一般的には1枚の再生画の中に、時間的に隔たった画像が混ざり違和感のある再生画となる。筆者らは、HDTVにおけるサーチ速度と必要画質の関係を調べ、画像データを階層化した。さらに、テープ上に多種のサーチ速度において共通してヘッドが通過するポイントを、見いだし優先度の高い画像データの成分を上記ポイントに階層的に配置することを試みた。コンピュータシミュレーションの結果、サーチ用の追加データを必要とせず、見易いサーチ画像を複数のサーチ速度で得る事が確認できた。