1993 年 17 巻 69 号 p. 1-8
再生分解能の高い垂直磁気ヘッドを目指して、膜厚が主に100nm以下の極薄NiFe膜の作成法を検討した。成膜はイオンビームスパッタ装置にて行った。Si基板を用いると、薄膜の磁化容易軸は成腹中の印加磁界方向に誘導されるのに対し、ガラス基板では膜厚が50nm以下になると印加磁界方向からずれ、その大きさは膜厚の減少と共に増加する。これは印加磁界と異なった方向に容易軸を有する成長初期層が形成されているためと考えられる。このずれはTi下地膜を用いることで解消でき、さらに10mの極薄膜において著しい透磁率の向上が確認された。