垂直磁気記録に用いる単磁極形ヘッドにおいては軟磁性薄膜を主磁極として用いるが、この主磁極のマイクロマグネディックス的な特性がヘッド性能を大きく左右する。筆者等はこれまで、主磁極側端のノッチ形成や異方性磁界の最適化などの人工的な磁区制御がヘッド動作の安定化に効果的な事を示してきた。積層膜は層間の強い磁気的な相互作用のために磁壁が消失し、これも人工的な磁区制御法として有望である。本報告では、積層膜をヘッドに応用する観点から議論する。特に、膜応力を制御することで高感度と高安定性が満たされることを見出している。この積層膜を応用した薄い主磁極を用いて、170kFRPIという高いD_<50>が可能な事を示した。