全盲者が文字情報を得る間接的手段として一般に点字が用いられているが、習得には多大の時間を要し、その読み取りも必ずしも容易とはいえない。本研究では、このような点字学習や読み取りの補助を目的として、点字パタンを直接光学的に読み取り、解読し、合成音声として出力する装置の開発を目的としている。本装置では、点字テキストの自動走査という受動的な手法ではなく、読み手自身が指先に装着した撮像部により能動的走査機能を持たせる。本稿では、撮像部にファイバースコープを用いて入力した点字画像からの解読処理方式について述べる。行走査モードと任意走査モードから成る使用形態において、ここでは行走査における行画像の再構成とその解読実験を行い、試料テキストで約90%の文字正解率を得た。更に、走査速度との関係及び任意走査を模擬したフレーム的中率について検討を行った。