1994 年 18 巻 57 号 p. 7-12
富士写真フイルム(株)は直接感熱方式によるフルカラープリント方式-TA(Themo-Autochrome)方式を開発した。本方式は発色の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの各発色色素を含んだ多層構造を持つ新しい感熱ぺーパーの開発に成功したことにより実現できた。この記録方式では各色は異なるレンジの熱エネルギーで反応して発色し、各色発色直後に紫外光で定着することにより3原色が記録できる。TA方式プリンタは、従来のハードコピーシステムに比ベインクリボンやインクカートリッジ等の廃棄物がでないという特徴を持っている。本稿では、画像形成メカニズム、ハードウェアの基本構成について述べる。また熱転写方式プリンタと対比してTAプリンターの技術的ポイント、将来の展望について述べる。