1994 年 18 巻 80 号 p. 17-24
動画像符号化を行なう場合, 目標の符号量内で可能な限り人間の視覚的に劣化のない符号化画像を作ることが要求される. そこで本研究では視覚特性を考慮した符号化制御方式として, 人間の視覚情報として人間の感じるより近い色空間における色差情報を用いた局所領域(MB)単位での汎用的な動画像符号化制御について検討した. まず符号化制御方式への適応のための色差情報の扱い方について整理した. 次に色空間位置における色差情報の視覚的重要度を示し, 符号化制御方式として色空間位置における色差, 局所領域内の色差, 局所領域間の色差を用いた方式を提案した. シミュレーション実験により, 色差情報を効果的に用いることにより人間の感じる色差を抑えることができ, 各提案方式の有効性が示された, 均等色空聞の色差情報を符号化制御方式へ用いることの有効性が確認された.