テレビジョン学会技術報告
Online ISSN : 2433-0914
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p形CdS薄膜作成の試みと光電変換デバイスへの応用
柏葉 安兵衛大橋 忍相馬 徹太田 康治菊地 新司池田 俊夫
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1995 年 19 巻 31 号 p. 1-6

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抄録

Cuのドーピングによって、p形特性を示すCdS膜を作ることができた。Cu薄膜上に200℃でCdSを蒸着すると、CuはCdS膜に容易に拡散した。膜は、ゼーベック係数、ホール係数などからp形であると判断された。膜のX線回折、透過特性からは、Cu_2Sのようなp形物質を検出できなかった。また、ホトルミネッセンスは、浅いアクセプタレベルが生じている可能性を示した。CdS(Cu)/CdS接合ダイオードは、良い整流性を示したが、再結合中心が支配的な特性であった。77Kで順方向に大電流を通じると、弱い緑青色の発光があった。光起電池としては6〜7%の変換効率を示した。CdS(Cu)/CdSe光起電池の応答スペクトルは、CdSとCdSeの吸収端の間であった。いずれの素子の特性にもp形Cu_2Sの影響は認められなかった。

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© 1995 一般社団法人映像情報メディア学会
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