1995 年 19 巻 50 号 p. 13-18
飽和磁束密度が1.3TのFe-Al-Ta-C磁性膜の磁気特性と耐食性について検討した。磁性膜の耐食性を確保するにはTaとCの比を0.5≦Ta/C≦0.68の範囲にする必要がある。これは、形成されるTaC粒子のサイズが微細化されることによる。Alを9.8at%添加すると、磁性膜の耐食性が改善され、これは膜表面が不働態化したためで、0.5N NaClaq中へ浸漬しても腐食の発生は見られなかった。この膜を単結晶Mn・Znフェライト基板上に形成するには、磁性膜の配向性制御のために、SiO_2下地膜を介して形成する必要がある。