1995 年 19 巻 9 号 p. 1-5
液晶中にポリマーネット構造を形成しバルク部分における液晶分子の配向を制御する、液晶性高分子安定化(LCPS)法について報告する。LCPS法によってラビングを行わないようなセルにおいても任意のティルト配向が得られることがわかった。このLCPS法をアモルファス(a-)TN-LCDに採用すると、リバースティルトディスクリネーションが完全に固定化される現象が見られた。この結果より、従来のa-TN-LCDで起きていた表示切り替わり時の輝度の揺らぎを抑制でき、表示の見易さの向上が図れた。また、レスポンス特性の向上も確認された。これらの効果は、a-TN-LCDの特長である等方的な視角特性を犠牲にすることなく達成されることがわかった。