1995 年 19 巻 9 号 p. 25-30
アモルファスシリコンTFT-LCDにおいて、光リーク電流の少ないTFTを開発した。このTFTでは、従来の製造工程を変更せずにTFT形状の工夫によって光リーク電流を低減することができる。このTFTの開発に先だって、まずTFTのチャネル内における光リーク電流の径路がチャネル端部であることを実験的に見い出した。そして液晶セル内におけるTFT上の不均一な入射光量分布を解析的に算出した。光リーク電流はこの入射光量分布に大きく依存する。これらのことがら、チャネル端部のゲート電極のみを大きくすることにより、そこへ入る光量を減らし、光リーク電流を低減した。この効果は液晶セル内のTFT特性によって確認された。