1996 年 20 巻 39 号 p. 143-150
有限オートマトン(FSA)を学習するリカレントネット(RNN)において、ニューロン活性化パラメータ(β)が状態空間内の軌道の安定表現と学習の性能に及ぼす影響について報告する。最初に、βがある臨界値より大きいときRNNは任意の長さの入力データに対しても得られたFSAの状態を安定に表現し続けられることを示す。次に、βに関する状態表現の安定性や誤差平面の形状に関する知見から、βを制御するRNNのアニーリング学習法を提案する。また、計算機実験により従来の学習法に較ベアニーリング学習法の学習効率が改善されることが分かった。