本文では、新たに試作したMPEG2を用いたHDTV-CODECについて、その装置構成および画質評価結果を報告する。本CODECでは、HDTV画面を空間分割して、複数個の標準TV用のMPEG2圧縮処理ユニットを組み合わせることで、リアルタイムでのHDTV符号化・復号化装置を実現した。このような構成を採用することにより、HDTVのみならず標準TVのマルチ処理も可能になるという利点も生まれる。さらに、低ビットレートでの伝送をターゲットとして、入力画像を符号化状態に応じて適応的に時空間整形処理する技術を導入した。主観評価実験の結果、12Mbps〜18Mbpsで違和感のないHDTV画像を再現できることがわかった。