テレビジョン学会技術報告
Online ISSN : 2433-0914
Print ISSN : 0386-4227
周辺視の影響を考慮した注視点測定システムの試作
熊野 秀樹菅野 恒雄寺町 康昌長橋 宏
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1996 年 20 巻 46 号 p. 29-34

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抄録

我々は, 人間が顔を見て男女を識別するときの, 無意識に行う男女識別の過程を解析するために, 中心視の動きを詳しくとらえる装置が必要であると考える.従来, このような研究はアイカメラを用いて行われてきた.しかし, アイカメラでは有効視野に制限がないため周辺視を除いた中心視のみの動きを捉えることは困難であり, アイカメラの複雑な初期設定や被験者にかかる負担等を除くため, 本研究では, 制限した視野領域をマウス操作で動かすシステムを試作した.このシステムを用いて顔画像の男女識別に関する実験を行った結果、被験者の注視点が顔画像に向かって左側に偏るという結果が得られた.また, 識別過程の前半期において, 注視点を左眼周辺, 右眼周辺, 鼻, 口という順で動かす規則性が見られた.

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© 1996 一般社団法人映像情報メディア学会
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