2016 年 48 巻 1 号 p. 1-8
子どもが学びを生成していく行為や活動の論理に基づき,新たな活動状況を開発することにより,子どもがもの・こと・人との相互行為を通して,自身の行為や活動の論理と,学びを拡張する在り方について考察した。その際,図画工作における「鑑賞」の意義をもとにして,子どもの行為と活動を通した関係と意味の生成の視点に立った「図画工作(鑑賞活動)」がどのように展開された時に,何が行われているのかを追求した。事例における子どもたちの会話,相互行為,造形行為を記述し,子どもの活動世界とつくり表していくもの(作品)の世界とが,どのような関係性において相互的につくられていくのか,相互行為分析やエスノメソドロジーの分析手法を援用して捉えなおし,様々なことが明らかになった。