2016 年 48 巻 1 号 p. 369-376
本研究の目的は,第1に図画工作・美術に対する苦手意識の実態を明らかにすること。第2に,苦手意識を少しでも解消する工夫を授業で試みること。第3に試みの結果から苦手意識を解消するための要素を明らかにすることである。この要素は,今後目指すべき造形美術教育の教育コンテンツ開発に生かしていく。平成26年度に図画工作・美術への現状を知るべく実態調査を行った。図画工作・美術に対して比較的好印象と共に意欲的に取り組んできた実態が明らかになった。しかし,その調査をうけた大学生の6割が苦手意識を抱いていた。その結果を受けて苦手意識が少しでも減少するように講義で試みた。完全に解消することはできなかったが苦手意識を減少させることができた。平成27年度は苦手意識の変容を調査し,苦手意識を減少させた理由の分析から解消するための要素を明らかにした。