美術教育学研究
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彫刻の場としての公園に関する一考察
―1950年代から60年代にかけての都市公園・児童公園の事例から
市川 寛也
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2016 年 48 巻 1 号 p. 73-80

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抄録

本研究は,1950年代から60年代にかけての野外彫刻の場として公園が果たしてきた役割を考察することを目的とするものである。この時期の両者の関係に着目すると,①公園を背景として彫刻を設置する事例と,②公園の構成要素として彫刻を取り込んでいる事例とに大別できる。前者は,戦後の街頭美化運動と結びつきながら,企業による社会貢献事業として推進されてきた側面が大きく,個人の作品が鑑賞されることに重きが置かれる。一方で,後者は特定の機能を持った構造物として設置されるため,使用されることに本質がある。その中でも,本稿ではプレイ・スカルプチャーの受容に焦点を当てた。北欧から世界に広がっていったこの遊具は,抽象彫刻の造形性を取り入れながら,児童が遊び方を創造することが重視される。結果的にこれらは遊具としての機能に特化されていったのだが,ここにはもうひとつの野外彫刻のあり方を見出すことができる。

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© 2016 大学美術教育学会
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