美術教育学研究
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「より良い鑑賞題材設定のあり方とは何か」の根拠を求めて
―主題と絵画理念の往還的感受という視点から―
立原 慶一
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2018 年 50 巻 1 号 p. 225-232

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抄録

本実践研究の興味・関心は,生徒が特定の絵画理念(物の見方,たとえば印象派やキュビズムの理念)を絵の主題把握といかに関わらせ,どのような形で捉えるのかにある。ここで鑑賞能力は両者の絡みで働くが,その作用の様態は低位者が行う分断的把握と,高位者が行う絵全体・表出内容的なそれとの間で,違いが出ることが考えられる。絵画鑑賞では,主題感受は本絵を基礎づける絵画理念の感受と情趣の面で遊離的ではなく,連携的になされるべきなのである。全体としてまとまった鑑賞体験の中に,絵画理念が価値づけられることの大切さを,私たちは理論的に自覚した。題材設定をめぐって美術教育学の立場から,より良い価値判断の基準がここに得られたのである。

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© 2018 大学美術教育学会
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