美術教育学研究
Online ISSN : 2189-3586
Print ISSN : 2433-2038
ISSN-L : 2433-2038
幼児期における摸写的活動の教育的妥当性と近接領域の研究動向
松本 美里髙橋 敏之
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 50 巻 1 号 p. 321-328

詳細
抄録

本論は,幼児期における模写的活動の教育的妥当性と近接領域の研究動向について考察する。「学び」の語源が「真似び」であると言われているように,他人を真似ることは学習の第一歩である。特に幼児期は,周囲の幼児や大人の言動を真似ることによって学習する時期であることから,模倣学習に焦点を当てて論考する。本論では,幼児が行う「模写」は,描画能力の未熟さや独創性の表れにより,モデルの模倣を基盤として独創的な作品へと変容することから,「模写」ではなく「模写的活動」と定義する。先行研究から,幼児の図形描画能力に見られる発達を明らかにした上で,幼児期における描画の特徴として,G. H. Luquet(1927)の「視覚的写実性」と模写的活動の関係について考察を進め,「知的写実性」から「視覚的写実性」への過渡期である幼児期に模写的活動を行うことの意義について検討する。

著者関連情報
© 2018 大学美術教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top