美術教育学研究
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フレスコ画における油性モルデンテ
江藤 望大村 雅章
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2018 年 50 巻 1 号 p. 81-88

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抄録

イタリア,ゴシック後期のフレスコ画には,金属箔を駆使した技法が贅沢に使われている。これまでの研究で,この技法をチェンニーニの技法書『絵画術の書』および現地調査に基づいて実証的に解明してきた。しかし,金属箔をフレスコ画の壁面に貼り付けるための接着剤である油性モルデンテの解明が俟たれていた。その理由として,モルデンテに必要なワニス液の処方が解明されていないことが挙げられる。本稿では,その処方は依然として不明であるが,次の方法で油性モルデンテにアプローチした。まず,『絵画術の書』に倣ってモルデンテの前準備となるボイルド・リンシードオイルの追試実験を行った。次に,ボイルド・リンシードオイルと混ぜるワニス液の主成分である樹脂の持つ役割を論じた。最後に,想定される樹脂による油性モルデンテを作製し,実際に技法に取り組み油性モルデンテにおける樹脂の役割を検証した。

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© 2018 大学美術教育学会
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