美術教育学研究
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日本の盲学校における美術教育の変遷に関する研究と展望
―1980年代から90年代にかけての事例から―
多胡 宏
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2019 年 51 巻 1 号 p. 201-208

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抄録

盲学校の子供達が制作した作品は,高い評価を得てきた。しかし,教育課程や教材,指導・支援の工夫などの検証については,十分と言えない。特に盲児にとって有効な教科書や指導資料集,事例などの参考書などがなく,各盲学校に任されている。本研究では1980年代から90年代にかけての神戸市盲,沖縄盲,千葉盲,群馬盲の実践とギャラリーTOMの活動を作品集などの資料を基に変遷をたどった。具体的な事例を基に,どのような表現活動があったのかを検証した。盲学校教育はインクルーシブ教育という理念の変更という課題を引き受けるだけでなく,在籍数の減少と教員の専門性の維持・継承という大きな課題に直面している。盲学校の美術教育の今後の在り方について早急な検討が必要であり,表現においては彫刻や絵画という枠にとらわれず目標達成のための手立てを含めた検討が必要である。

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© 2019 大学美術教育学会
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