美術教育学研究
Online ISSN : 2189-3586
Print ISSN : 2433-2038
ISSN-L : 2433-2038
市民表現教育プロジェクトとしてのReggionarra
質的成長を促す背景と2018年のプログラムの検証を通して
濱口 由美髙野 牧子
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 51 巻 1 号 p. 281-288

詳細
抄録

本研究では,レッジョ・エミリア市のreggionarraを市民表現教育プロジェクトとして捉え,その質的成長を促す背景となる「参加」や「語りのアプローチ」について,乳幼児教育とつながりのある観点から整理と検討を行った。乳幼児教育が中心であった「参加」や「語りのアプローチ」の対象が,保護者の意識変化やレッジョ・エミリア市の教育行政改革によって,生涯教育を意識したものへと変容していることを考察した。また,市民表現教育プログラムの質的成長を目指し,どのような「語り」の場が提案されているのかについて,2018年に実施された3つのプログラムを検証した。その結果,視覚障害の壁を超えて伝え合うお話づくりの場,移民の高校生たちの居場所をつくる語りの場,地域の課題を共有するためのお話づくりの場などが,造形の言葉などを活用しながら提案されていることを明らかにした。

著者関連情報
© 2019 大学美術教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top