美術教育学研究
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eポートフォリオに蓄積された学生の学びの分析から
―造形教育科目での学生の学び―
大西 洋史
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2019 年 51 巻 1 号 p. 81-88

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抄録

現在の大学教育において,学生が体験を通して自らアカデミックな深い学びへと歩みを進めていくためには,体験から学んだことをどう言語化していくかが重要となる。また,学生が自ら意欲的に学び成長していくためには,能動的な学修への参加を取り入れた教育手法と学生による自己評価が有効な方法となる。本研究では,大学での造形教育科目として2018年度前期に実施した「図画工作科I」を取り上げ,学生が記述した「学修のまとめ」をテキストデータ化して統計的な分析を試みた。テキストマイニングによる統計分析の結果からは,シラバスの目標を達成していることや小学校学習指導要領における図画工作科の目標に則した学びの成果が確認できた。また,学修を総括的に言語化する上での課題が明らかになるとともに,学生が自ら作成したeポートフォリオでの振り返りが教育手法として有効に活用できる可能性を示した。

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© 2019 大学美術教育学会
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